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学生向けイベント

【海洋開発の知識・経験を身につける】

開催報告

これがオフショアの安全訓練だ!
ヘリからの水中脱出、きみは崎山沖浮体式洋上風車へ辿り着けるか!?
OPITO認証HUET(ヘリコプター水中脱出訓練)コース受講と長崎県崎山沖浮体式洋上風力発電施設見学



日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムでは、海洋開発人材の育成のため、海洋開発に関連する講義と現場視察を組み合わせたセミナー等を実施しています。

今回のセミナーは、海洋資源開発分野に特有の安全課題についての基礎を学んだ上で、洋上の石油・ガス施設等へのヘリコプターによる移動に必要となる特殊な安全訓練を受け、一定の緊急事態に対応する知識・スキルを取得するとともに、洋上風力発電施設の現場見学を通じて、今後世界で導入拡大が見込まれる洋上風力発電事業への理解を深めることを目的として開催しました。

参加学生の体験談

早稲田大学 修士1年

池端 恵人

この度は貴重な体験をさせていただき、日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム様と関係者の方々には感謝申し上げます。今回の現場体験セミナーは、OPIT認証HUETコ ースと、洋上風力発電に関する講義および現場見学の大きく2つの内容で構成されました。
HUETコースでは水没したヘリコプターを模した装置からの脱出訓練を行いました。資源開発のフィールドが海洋主体に移る今、ヘリコプター移動の安全対策は不可欠なものとなっています。訓練では器具の着け方から水中で転覆した訓練装置からの脱出まで、いざという時の生存率を高める実践的な技術を習得することができました。日本国内でこの訓練設備を備える施設はごく僅かということで、貴重な体験をさせていただきました。
洋上風力発電に関する実習では、長崎大学の織田先生や東京大学の荒川先生、長崎海洋産業クラスター形成推進室協議会の松尾様、戸田建設の中川様、上田様など、日本における洋上風力発電の第一線で活躍される方々から直にお話を伺う機会がありました。私の専攻する資源工学とは全く異なる分野でしたが、日本における洋上風力発電の現状や課題、将来性について理解を深めることができました。また福江島崎山沖で稼働する浮体式洋上風力発電「はえんかぜ」を船で接近し間近で見学した際、その大きさと静かさに驚かされました。
実習を通して依然として課題はあるものの、洋上風力発電は日本のエネルギーに大きな影響を及ぼす技術であると実感しました。
私は今回の現場体験セミナーを通して、これまで以上に海洋開発に魅力を感じるようになりました。特に周囲を海に囲まれた日本では、海洋開発は今後確実に盛り上がる分野であり、その中で今回得た知識や経験を活かしたいと考えています。この度はありがとうございました。

東京海洋大学 学部3年

石橋 環

今回の現場体験セミナーでは、3日間通して貴重な体験をさせていただきました。 HUETコースでは、海洋をフィールドとして働くときに、船舶だけではなくヘリコプター を使う可能性もあることを知り、ヘリコプター乗用時の緊急事態への対処法を学びました。水中脱出訓練では、緊急時でも冷静でいることの重要性を身をもって知りました。シートベ ルトで拘束されたまま、水に沈むことはかなりのストレスであり、転覆する際の恐怖は大き いものでした。しかし、落ち着いて行動すれば大丈夫だという自信をもつことができました。この先、緊急事態に陥ることがないことを祈りますが、どんな時でも冷静に対応して生き延びたいと思います。
洋上風力発電についての講義では、仕組みや実際に事業として成立するまでの流れ、欧州 や日本の現状などを学びました。また、台風の風速50m/s以上の風に耐える映像や、ソフトコーラルが付き、100種もの生き物が生息する浮体部分の映像も見ました。実際に、洋上風 力発電設備「はえんかぜ」を近くから見ると、大きさに迫力を感じる一方で、ほとんど騒音 も出さず、本当に浮いているのかと思うほど安定して回る姿に違和感を感じませんでした。 洋上風力発電という新しい分野で、不安を覚える地域の人や漁業者の方は多いと思います。 実際に私も今回のセミナーを受ける前は、洋上風力発電に興味を持ちながらも、今後の普及 に関しては難しいのではないかと考えていました。しかし今回講義を受けて、実際に見て、将来性を強く感じ、改めて関わっていきたいと思いました。
風車ワークショップでは、グループごとに風車の模型を作りました。実際に形にするとなるとなかなか回らず、自分の至らなさを感じましたが、ほかの参加者皆さんの発想や、講義は面白く勉強になりました。
また、今回集まった学生の皆さんとは講義の時間以外でもお話しする機会がありましたが、魅力のある人ばかりで、楽しく過ごすことができました。これから先、さらに学びを深めていきたいと感じる機会となりました。ありがとうございました。

東京海洋大学 学部3年

石橋 悟大

私は大学で研究室が決まり、波力発電について調べ始めた矢先に海洋開発現場体験セミナーの開催を知り、本セミナーに参加させて頂きました。普段とは異なる環境下で様々な体験をし、更には海という繋がりを持った多くの人と知り合うことができ、とても貴重な経験となりました。
HUETのコース受講においては、緊急時の初動作が身を守る上で重要であり、何よりも落ち着いた行動を取ることが大切であるということを実技を通じて学ぶことができました。最初はEBSと呼ばれる非常用呼吸具の扱いに苦戦しましたが、無事にコースを修了できて嬉しかったです。 また、洋上風力発電の講義においては、海洋開発でイノベーションを起こすには技術的な事だけではなく、関係する人との繋がりや徹底した安全管理が重要であるということを知り、開発に関わる上での心構えについて大切なことを学ぶことができたことが良かったです。実際に地域に定着しつつある「はえんかぜ」見たことで、これからも引き続き海洋工学について深く学んでいきたいと感じることができました。
本セミナーに参加することで更なる海洋開発産業の発展に興味を持ち、自分もその中の一員になることができたら良いと思うようになりました。また、普段の大学生活では遠くから見ているだけの海洋開発の世界を身近に感じることのきっかけとなりました。これからは、積極的に海洋開発の分野に関わっていくことで多くの事を学んでいきたいと思います。今後も海洋開発についての知識を深め、また別の機会に今回出会った方々と再会できたら良いと思います。
最後になりますが、徹底した感染症対策の中で本セミナーを開催して下さった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

名古屋大学 修士1年

板倉 知巳

私の専攻は航空宇宙工学で海洋開発分野のバックグラウンドがない中、自身が研究している炭素繊維複合材料が風力発電のブレードに応用されていることをきっかけに洋上風力発電に関連する海洋開発に興味をもち、今回のセミナーに参加しました。
HUETは洋上を飛行するヘリコプターでの緊急事態を想定した訓練でしたが、ヘリコプターの場合だけでなくオフショアでのサバイバル技術の基礎を学ぶことができました。もちろん、今回習得した知識やスキルを使わないのがベストですが、水に対する恐怖感やパニックを一度経験したことがあるのとないのとでは、緊急時の行動が大きく変わってくると実感しました。
その後、長崎県福江島に移動しました。海洋開発の第一線で活躍される方々の講義を聞き、実際の浮体式洋上風力発電施設を見学するという一連のプログラムを通して海洋再生可能エネルギーの課題や展望、そして技術的な側面を深く学びました。周りを海で囲まれた我が国におけるその開発ポテンシャルの高さや魅力を体感することができました。
また、機械系出身の自分にとって海洋開発分野のバックグラウンドをもつ学生の皆さんと交流できたことが何よりも新鮮な経験となりました。今回のセミナーを通して関わったすべての方々との出会いをこれからも大切にしていきたいと思います。
最後に、このような貴重な機会を与えてくださった関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

横浜国立大学 学部4年

坂間 遼太

私は、大学にて海洋工学を専攻しています。大学4年になり、今まで学んできた海洋工学がどのように活かされているのかを現場で体験したい考え。このセミナーに参加させていただきました。
このセミナーでは主に、ヘリコプターの緊急事態に対応する知識・スキルを身につけるための「OPITO認証HUETコース」と近年注目が高まっている「浮体式洋上風車」について主に体験しました。
OPITO認証HUETコースでは、初めに講義にて緊急時にとるべき姿勢や器具の使用法、脱出手順等について学び、その後、実際に浸水や転覆したヘリコプターから脱出する訓練を、EBS(非常用呼吸具)の使用や窓の開放などの条件を変え、それぞれ3パターンずつ行いました。 EBSを使用出来るパターンでは、呼吸が確保されていたこともあり、落ち着いて脱出することができましたが、EBSの装着できないパターンでは、息苦しくて焦ってしまい脱出にてこずる場面もありましたが、講義を思い出し心落ち着かせて対処することでなんとか無事脱出することができました。この経験から、緊急事態にはそれに対応するための知識・スキルだけではなく、落ち着いて行動することも大切であると感じました。
浮体式洋上風車について、初めに教授や企業の方々の講義にて浮体式洋上風車ついて学びました。講義では特に2つのことについて衝撃を受けました。1つ目は、風車の没水部に多くの生命が住み着いたことです。これは地域住民に風車設置の理解を得るための一環として工夫したことだと知り、このような地域住民の懸念を考慮した開発は結果的に環境にも優しい設計になっていると感じ、地域住民の思いをくんだ開発をしていくことの重要性を学びました。2つ目は、風車一台のみで島全体の電力を余裕で賄える発電力です。 余った電気を使用して電気分解で水素を作りそれを車や船の燃料として利用したり、メチルシクロヘキサンにして島外に供給したりしていると知り、洋上の風のエネルギーとそれを利用できるようにする風車のすごさを改めて実感しました。 見学当日は風があり風車が良く回転しているところを見学できました。大型の風車であるにもかかわらず発生していた音は想像していたものよりもはるかに小さかったため、印象に残っています。
最後になりますが、この素晴らしいセミナーを企画、運営していただいた日本財団、企業、講師の方々、及び一緒に参加したメンバーに深くお礼申しあげます。

神戸大学 学部4年

伊藤 樹里

はじめに、感染症への不安が拭いきれない中でも本セミナーの実施に踏み切り、貴重な学びの場を提供して下さった日本財団の皆様、私たち学生を受け入れてくださった現地の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
OPIET認証HUETコースは、非常時にヘリコプターから自力で脱出することを想定した訓練です。6種類のパターンをすべて終えられるだろうかと不安な気持ちもありましたが、インストラクターの方の指示がわかりやすく、でやるべきことが明確になり無事修了することができました。全員が初めての体験なので、女性の方も大丈夫です。このような特殊な資格を学生の間に取得できるチャンスもあまりないので迷っている方は是非応募してください。
洋上風力発電に関する講義では、最前線で活躍されている先生方のお話を聞くことができます。私は卒業研究で浮体式洋上風力発電を対象としていますが、身近に専門の方がいない中で進めており、シミュレーションを中心に行っていることから何となく遠いことのように感じていました。しかし講義を受けたり、実機を見学したことで、今後の日本のエネルギー問題に直結することを扱っていると考えるようになりました。そしてこの分野の課題解決に少しでも貢献できる人になりたいと思いました。
また、「海洋開発」はまだマイナーな分野だと思っていましたが今回16名の学生と出会うことができ、いろいろな視点からアプローチが可能だという発見もありました。
3日間とは思えないほど濃密な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。
風車のブレードを作るワークショップやそのほかの自由時間で、他大学の人と交流を深めることもできました。様々なことに興味を持てた3日間でした。 このような機会を作ってくださった皆様、本当にありがとうございました。

神戸大学 修士1年

大川 諒也

3日間のセミナーを通じて、普段の学校生活では体験できないであろうプログラムを効率的に経験できました。 日本サバイバルトレーニングセンターでのヘリコプターからの脱出訓練では、身をもって緊急事態の対応について学びました。シートベルトで拘束されたまま水中に沈むことに恐怖と抵抗があり、EBS(非常用呼吸具)無しで機体が上下反転して水没したときは内心死ぬかもしれないと思いましたが、安全に配慮した丁寧な指導のおかげで最後には楽しめる余裕が生まれていました。実際の事故を想定して訓練させていただいたことは非常に貴重で有意義な時間でした。
最初は緊張していたものの、訓練を通して同じグループのメンバーとも打ち解けられました。
洋上風力発電についての講義では、非常に興味深いお話を聞くことができました。私は大学内で浮体式洋上風力発電についての研究を行っており、多少の前提知識があったのですが、将来的に洋上風車を導入するうえでの指針となる、再エネ海域利用法や調達価格等算定委員会等の最新の動向について教わることができました。 戸田建設社員のお話には洋上風車建設の際の課題としてコスト削減、環境影響、電力系統について学ぶことができ、今後の課題について理解を深められました。その後、船酔いするほどの波浪中に浮く実際の洋上風車「はえんかぜ」を間近で見ることができたのも貴重な体験でした。 風車ワークショップでは、実際に風車の翼を作ってみましたが思ったように揚力が発生せず、物作りの難しさを実感しました。チーム内でよく考えたつもりでしたが、他のチームの発想にも感心させられました。これまでの大学での学びと実際の風車の設計への理解がつながり、一つ成長できたように思いました。短い期間で多くの学びを得て、同じ志の仲間にも出会えたので非常に満足しています。
このような機会を与えてくださった日本財団ならびに本セミナーに関係するすべての方々に感謝しています。

早稲田大学 学部3年

大橋 真輝

大変有意義な三日間でした。この講義で学んだこと、反省したことを生かして進路、研究、仕事につなげたいと思います。
ヘリコプターの脱出訓練では海の事故への対処の難しさを知りました。例えば、転覆すると方向感覚が崩れてしまうこと、水中では視界がはっきりしなくなることそして実際に事故が起きた場合それらに対処できないと命を失う危険があることを実践で学びました。
洋上風力の講義では現状と基本的な風力発電の仕組みを学び、洋上風車がどんどん進歩し、巨大化に成功していることを教わりました。日本では十分な風を受けられる場所が多いこと、台風の耐えられるように設計しないといけないこと、領海までしか設置できないこと、地域住民の理解が必要といった日本の現状と課題を知ることができました。それでもまだまだ成長の余地があり、これから順調に成長していく産業だとわかり希望が持てました。
実際に洋上風力発電はえんかぜを見てその大きさに迫力と日本の未来を感じました。波が少し高くて怖かったのですが近くで見た景色は圧巻でした。

北海道大学 学部2年

佐々木 勇人

海洋生物資源を研究課題とする学科に所属する私にとって、海洋開発は関係の無いように感じていました。しかし、今回の現場体験セミナーに参加し、その考えは大きく覆されました。
水中でのヘリコプター脱出訓練は、事故に直面しない限り使用することのない技術を学ぶ危機管理の講習でしたが、日本に数少ない施設を利用して、実際の事故を想定した訓練は非常に今後の進路において有用であると感じました。特に、ヘリコプターからの脱出に限らず、日常生活においても、危険が迫った際には、優先順位をつけて行動すべきであるという学びを得られました。
洋上風力発電に関するセミナーでは、再生可能エネルギーとしての重要性、将来性、電力供給の柱になり得るポテンシャルを学び、海洋大国である日本の取るべき進路について、改めて考えさせられました。また、近年の海洋開発が進む日本において生物資源と開発の関係性は私の想像以上に深い関係性を持っており、洋上風力発電においては、周辺海域に生息する生物の分布の変化や、それによる漁業者への影響を調査・予測しなければならないことを学びました。 現在、私が興味を持っているROVが実際に現場で使用され、環境評価に使用されていることを知り、生物資源管理の観点から海洋開発に参入していくという進路も開けたように思います。私事ではありますが、水中ロボットに関して、世界的権威である浦環先生にお会いできたことは、今回のセミナーの中で最もうれしい出来事でした。
その後受講した風力発電機を模擬的に作成するワークショップでは、前日に視察した発電機とは全く異なる形状ばかりが良い結果を残していることに疑問を持ち、限られた時間の中で頭を働かせる良い機会になったと思います。
今回のセミナーは、いずれも通常の学生生活では体験できない事ばかりでした。この経験を通して学んだことを胸に、海洋開発へ携わる一員、またそれを目指す一学生として更に学びを深めていきたいと思います。
このような機会を設けてくださった皆様に感謝いたします。ありがとうございました。

早稲田大学 修士1年

佐藤 未菜

私は、大学院にて石油・天然ガス開発に関する研究を行っています。そのため、現場で役立つであろうHUETコースの資格取得に興味を持ち、本セミナーに参加しました。  実際のHUETコースの訓練は想像以上に過酷でした。ヘリコプターからの脱出手順は事前の講義で理解したつもりでいても、いざ実演してみると迫り来る水への恐怖からパニックになり、うまく行動や呼吸ができず溺れてしまいそうでした。訓練でもこんなに焦ってしまうのだから、実際事故に遭ったら何もできないんだろう、ということが容易に想像でき、非常事態への意識が自然と変わりました。ヘリコプターだけでなく、もっと身近な船や飛行機の移動時にも事故が起こりえるという危機感を持ち、正しい対応方法の知識を事前にインプットしておくべきだと、その意識の差だけでも非常時における生存率が大きく違ってくるだろう、ということを身をもって学びました。  また、海上タクシーにて浮体式洋上風車を間近に見学させて頂きました。風力発電については無知でしたが、見学前に長崎大学の織田様、戸田建設の中川様、東京大学の荒川先生に非常に丁寧な講義をして頂き、基礎知識から将来性まで幅広く理解を深めることができました。お三方とも風車への愛や誇りに溢れたお話をして下さり、興味深く聞かせて頂きました。今までずっと在来型資源開発について学んで来た身からすると新鮮な知識や視点ばかりで、風力発電事業がとても魅力的に映りました。
個人的には、五島の浮体式洋上風力発電が漁業との共生を実現させている点に最も感動しました。風車をほぼ真下から見上げる機会は陸上でもなかなかなく、そのスケールの大きさには圧倒されました。風車の設計において重要な要素についても、ワークショップ形式で手を動かし考えながら学ぶことができ、身になりました。
他大学で他分野を学んでいる学生との交流もとても刺激的で、3日間終始充実していました。このセミナーで得た様々な体験は私の人生においてかけがえのない糧になると思います。
新型コロナウイルスの影響で人との交流や遠方への外出が憚られる中、このような貴重な機会を下さり有難うございました。お世話になった全ての方々に心より感謝致します。

日本大学 学部4年

塩島 宇晶

私は現在海洋開発の分野とは関係のないことを研究していますが、今回の海洋開発現場体験セミナーに参加させていただき海洋再生可能エネルギーの将来性や洋上浮力発電の理解を深めることができました。
特に印象深かった体験はOPITO認証訓練のHUET(ヘリコプター水中脱出訓練)コースの受講です。講義の内容は主にヘリコプターの飛行前の注意点や、乗降法、緊急時時にどのように脱出するのかを学びました。行った訓練の内容としては、機体の状態が一部浸水、水中で転覆の2パターンがありシートベルトを着けた状態で水中に沈められ、その状態から窓を押し開けて、次にシートベルトを外し水面に向かうというもので、説明を受けた段階では緊張はしていましたがそこまで恐怖を感じていませんでした。
しかしいざ体験すると想像していたものより数倍恐怖を感じました。最初に行ったのが機体の一部が浸水のパターンでしたが、呼吸が困難になることは当然のことでわかっているはずなのにパニックに陥り、シートベルトを外すということすらとても難しかったです。一部浸水での状況でも困難だったのに転覆した場合はと考えたら想像通りでとても過酷でした。 水中で180度回転したため窓の方向がわからなくなるなど一部浸水のときよりもパニックで本当に恐怖を感じました。だからこそ今回のOPITO認証訓練を受ける必要性が十分に身をもって体感しました。またヘリコプターに限らず、飛行機に乗る際にも非常口の確認やブレースポジシ ョンといった衝撃を受ける際の重要動作など日常的に役立つ知識を得られたがよかったです。
3日間という短い日程でしたが、今回学んだ内容をしっかりと吸収して、今後の大学での研究で発展させていきたいと思います。
このような貴重な機会を提供していただき日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの方々には感謝しています。本当にありがとうございました。

横浜国立大学 修士1年

沼田 紗奈

コロナ禍の中、このような貴重な経験のできる機会を作っていただき、ありがとうございました。
大学での講義や研究、オンラインでの講座では経験できない様なことがたくさんあり、非常に充実した3日間を過ごすことができました。
OPITO認証訓練のHUETコースでは、安全が保証されている訓練であり、全員が準備できていることを確認してから着水、転覆しているにも関わらず、実際に身体が固定された状態で水中に沈んでいくと恐怖を感じ、焦ってしまうことがありました。しかし、回数を重ねる毎に落ち着いて行動することができるようになり、緊急事態を想定しておくことや訓練の大切さを身をもって学ぶことができました。 今後、緊急事態に遭遇しないことを願いますが、ヘリコプターの搭乗に限らず、今回の訓練を忘れずにしっかりと安全を考え、準備していきたいと思います。
福江島では、島内に折れ曲がった道路標識や階段の手摺り等、2週間ほど前の台風9号の被害が残る中、しっかり稼働している洋上風車を間近で見ることができ、大きさと強さに圧倒されました。同時に、風車の近くでは手を離したら立っていられないほどに船が揺れていて、その様な中で作業を行っている中川さんのお話を聞き、「現場にいかなければ机上の空論である」ということを痛感しました。
今回のセミナーでは多くの経験をさせていただきましたが、一番良かったと思うことは、全国から集まってきた学生と交流できたことです。セミナーに参加しなければ出会えなかった、様々なバックグラウンドを持つ人たちと共にトレーニングをし、風車を作り、たくさん話をすることができ、非常に大きな刺激となりました。
今回の経験を今後に活かしていきたいと思います。

九州大学 学部4年

葉山 理一

私は大学で石油工学を専攻しており、将来は自分の持ち味を活かして日本のエネルギーに関われるような仕事に従事したいと考えています。
そんな私にとって今回の現場体験セミナ ーは、大学の座学では味わえないような海洋開発の現場を体験することができる貴重な機会であると考え、本セミナーに参加することにしました。
1日目に行われたサバイバルトレーニングではヘリコプターが海に不時着した際の機内からの脱出訓練を行い、海で働く技術者になる上で必須の自分の身を守るための安全技術を習得することができました。日本サバイバルトレーニングセンターの方々による手厚いご指導のもとで、今まで経験したことのない非日常な体験を楽しみつつも、自分の命を守るために失敗は許されないという緊張感を持って質の高い訓練を行うことができました。
2日目以降は長崎の五島列島で洋上風力発電に関する講義や洋上風車の見学、ワークショ ップを行いました。普段大学で受けている講義とは異なる分野で十分に知識を習得できるのかという不安もありましたが、講師の方々による知的好奇心を刺激するような講義のおかげで洋上風力発電に関する知見を広げることができました。洋上風車の見学では、海上タクシ ーにて風車の間近まで移動し、風車のスケールの大きさ、海洋開発現場の壮大さを見にしみて感じることができました
最後に行ったワークショップではグループに分かれて様々な形状の風車の翼を厚紙で製作し、一定の風量でどれだけ発電するかを検討しました。各グループそれぞれで試行錯誤を繰り返し発電効率を上げていき、結果的に私のグループの発電効率が最も良く、優勝することができました! また、本セミナーで全国の様々な大学から来た学生と交流することで、人脈を広げるとともにそれぞれの研究テーマや海洋開発に対する思いを知ることができ、自分の視野を広げる良い機会になりました。本セミナーに参加した学生の中には、海洋開発とはあまり関係ないような分野を専攻している学生もいました。しかしセミナーを通して自分の専攻が海洋開発に活かされているという新たな発見をする学生も多く、多様な分野の学生が海洋開発技術者としての可能性を秘めているのだと感じました。
最後に、このような貴重な経験を無償で提供してくださった日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの皆様、並びに本セミナーに関わってくださった関係者の方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。

東京海洋大学 学部3年

細谷 瑛史

私は、今後洋上風力発電を対象として卒論や研究に取り組むうえで、知見を深めることを目的として今回のセミナーに参加させていただきましたが、目的以上に多くのことを得ることができました。
HUETの訓練では、有事に対する身を守るための意識が甘かったことを強く痛感しました。ヘリコプターでは異常が発生してから不時着するまで60秒あればよいほうで、実際にはそれよりもかなり短い30秒、15秒といった短すぎる時間のなかで生存率を少しでも高めるために、何を優先して確実に行わなければならないのかを判断し実行しなければなりません。強制的に水中に沈められるという、実際の状況に近い形を身をもって経験し、技能を習得することができました。
目的であった洋上風力発電に関しましては、幅広い知識を得られたことはもちろんですが、洋上風力発電の発展に長年尽力され、牽引なさってこられた講師の方々、実際に普及や社会実装にむけて現場で尽力されている方々の想いに触れさせていたことが何よりも貴重な経験でした。 私が興味を抱いた洋上風力事業というものが単に日本のエネルギーの未来を担うというものだけでなく、これまでも、そしてこれからも洋上風力に携わる多くの方々の夢や希望、情熱が詰まった尊いものであることを身に染みて感じ、より一層洋上風力への思いが強くなりました。 また、今回ともに参加した全国の熱意ある学生の方々と知識や夢というもの共有し、多様な深い考えに触れさせていただいけたことは、研究者及び人間として成長するうえでかけがえのない貴重な機会となりました。
最後にこのような貴重な機会を提供してくださった、日本財団の皆様、講師の皆様、そしてともに参加した学生の皆様、本当にありがとうございました。とても楽しかったです。

名古屋大学 学部4年

田渕 貴大

私は再生可能エネルギーやエネルギー変換・貯蔵に興味を持っており、大学での授業や3年次の交換留学で詳しく学ぶことがなかった洋上風力発電についての知識や経験を増やしたいという思いで今回の現場体験セミナーに参加しました。普段の大学生活では経験することのできない貴重な経験をさせていただき、洋上風力発電や海洋開発に対する関心や理解が大変高まりました。
ヘリコプター水中脱出訓練では、準備の大切さを学びました。転覆した状態から呼吸器具なしで脱出するシチュエーションの前は無事に脱出できるかとても不安でしたが、他の参加者と励まし合い、脱出の手順を確認することで、落ち着いて訓練に臨むことができました。この訓練の受講の有無が実際の事故での生存確率に大きな差が出ると伺いました。
事故に遭う前にこのような訓練を受けること、手順や注意点を確認することは、ヘリコプターの不時着時に限らず重要であると思うので、日頃から準備を怠らないようにしたいです。
洋上風力発電に関する講義では、五島の美しい海に面する施設で、日本や世界の現状や技術的な内容など興味深いお話をお聞きすることができました。印象深かった点は、以前に椛島沖に設置されていた時に水素の利用と組み合わせて活用されていた点です。洋上風車で発電した電気から水素を作り、日本初の燃料電池船での利用や運搬しやすい形で貯蔵して島外での販売をすることで、余った電気を捨てることなく活用できたそうです。 今後、洋上風力発電の普及が期待されるなかで、島と水素エネルギーとの組み合わせがとても面白いと感じました。現在卒業研究として、燃料電池の電解質や水素センサーへの応用が期待される材料の研究をしているので、今の研究が役立つ可能性のある実例を知ることができ、さらに研究に励んでいきたいと思いました。 浮体式洋上風車「はえんかぜ」の見学では、その大きさに圧倒されました。実際にダウンウィンド方式で回転し、風下に傾いている姿を確認することができました。翌日のワークショップでは、グループで風車のロータを作製し、その回転数を競いました。意外とも思えた形のブレードがよく回転したことに驚きました。
これらのプログラムのみならず、全国の大学からの参加者の皆さんと研究や学生生活について話したことも、とても有意義でした。このような素晴らしい機会を設けてくださった関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

日本大学 学部4年

諸橋 健太郎

私の所属する海洋建築工学科では、建築工学の基礎知識や技術習得するとともに、フィールドを陸上から海に移した、親水空間計画や海洋構造物の構造計画、海洋建築施工法などを学んでいます。 その中で今回のセミナーを見つけたことは幸運でした。
HUETコース(サバイバルトレーニング)の受講、いくつかの海洋に関する講義、洋上風車の見学、同年代との交流。どのプログラムも貴重であり、一生記憶に残る体験でした。
HUETコースではシートベルトをしたままプールに沈められ、ヘリコプターの機内から脱出する訓練をしました。講義では海洋の将来や、現在の日本と海外の海洋に対する考え方、洋上風力発電について詳しく知ることができました。洋上風車見学では、普段教科書でしか見たことのない風車を船に乗り、プロペラが風を切る音が聞こえるほど近くから見学することができました。プログラムの合間では同年代とコミュニケーションをとることで海洋建築では得られないような知識や考え方を知ることができました。
今回体験した内容は、数ある海洋系の分野のうち、ほんの一部ですが、様々な視点から物事を考えるきっかけになりました。これからの海洋系分野の発展に貢献できるように、これからも勉強に励み、分野の発展に貢献するとともに、日本財団さんのお手伝いになることがしたいです。
関係者の皆さん、お世話になりました!

開催概要

主 催 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力 長崎海洋アカデミー
日本サバイバルトレーニングセンター
戸田建設株式会社
実施期間 2020年9月19日(土)~21日(月・祝)
開催場所 ・9/19(土)日本サバイバルトレーニングセンター
・9/20(日)〜21日(月・祝)五島市

スケジュール

  • 9/18(金)

    戸畑集合
  • 9/19(土)

    8:00
    ・日本サバイバルトレーニングセンター集合
    ・主催者挨拶
    8:30~17:30頃
    ・HUETコース受講
    ① イントロダクション
    ② 講義
    a.ヘリコプターでの移動
    b.ヘリコプターにおける緊急事態と危険性
    c.ヘリコプターからの脱出
    d.非常用呼吸具(EBS)
    ③ 実技:ヘリコプターでの緊急事態(実技イメージ
    ④まとめ、OPITO認証HUETコース修了証授与
    18:30-21:00頃
    戸畑から長崎へ移動
  • 9/20(日)

    午前
    ・五島市へ移動
    ・講義
    ①長崎大学 織田洋一 先生
    ②東京大学名誉教授 荒川忠一 先生
    ③戸田建設株式会社 中川将孝 様
    午後
    浮体式洋上風車見学(解説:戸田建設)
  • 9/21(月・祝)

    午前
    ・長崎海洋アカデミー:よく回る風車設計ワークショップ
    ・解散

お問い合わせ

事務局 〒107-8404 東京都港区赤坂1-2-2
日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム事務局

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