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2025年04月21日

学生向けイベント
社会人向けイベント

開催報告

〜未来の海洋を切り拓く。今、一歩先の自分へ~
春休み集中研修「海洋開発特別講座」

海洋開発特別講座の実施について

日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム(OIC)では、海洋開発産業を支える次世代人材の育成を目的として、春休み期間中に「海洋開発特別講座(春休み集中研修)」を実施しました。

本講座には、全国の大学から集まった学生25名と、OIC会員企業などに所属する若手社会人15名、あわせて40名が参加。海洋エネルギー分野の基礎から応用までを幅広く学ぶことができる2コースを開講し、最終日には係留索メーカーである東京製綱繊維ロープ株式会社の蒲郡工場(愛知県)を訪問しました。

開催概要

実施日程 2025年3月7日(金)~3月13日(木)
会場 L stay & grow 晴海(東京都中央区)、東京製綱繊維ロープ株式会社(愛知県蒲郡市)
参加者 学生25名、社会人15名 計40名
主催 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム(OIC)
協力 台湾国立大学 馬開東 教授一般財団法人エンジニアリング協会

実施内容

本講座では、参加者の習熟度や関心分野に応じて選べる2つのコースを設置しました。

◆ 海洋工学入門コース(日本語)

  • 対象:海洋工学の初心者〜中級者
  • 内容:海洋開発の歴史、浮体式構造物の種類と役割、海洋再生可能エネルギーの最新動向など、基礎から体系的に学ぶ講義を実施しました。
  • 講師:佐尾 邦久 氏(株式会社海洋工学研究所)
    東京大学工学部船舶工学科卒同修士課程修了、三井海洋開発(株)にて海洋構造物の解析・設計・建造に従事、(株)海洋工学研究所設立後には、海洋石油の大水深技術調査・構造物の解析設計、海洋天然ガスの利用技術開発、海洋風力発電技術調査のほか、海洋工学に関する講演・セミナーを多数実施されています。

◆ 浮体の係留工学コース(英語)

  • 対象:中上級者向け(英語による講義)
  • 内容:係留工学の理論から実設計への応用、係留システムの数値解析とモデル化、洋上風力発電における係留設計の考え方など、より専門的な内容を扱いました。
  • 講師:馬開東 教授(台湾国立大学)
    馬開東教授は、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得後、現在は台湾大学工学部の教授として活躍されています。海洋工学分野の第一人者として知られ、国内外で高く評価される豊富な研究経験と実務知識を有し、ChevronやABS(米国船級協会)での20年以上にわたる浮体・係留設計の実務経験を有しています。

◆ 特別プログラム:東京製綱繊維ロープ株式会社 蒲郡工場 見学

最終日には、係留索の製造現場を見学するため、愛知県蒲郡市にある東京製綱繊維ロープ株式会社を訪問。
洋上風力向け製品の研究開発の取り組みや、各種製造工程の解説を受け、現場で活躍する技術者との意見交換も行いました。

参加学生の体験談

係留工学コース

九州大学

簑田康平

本研修では,台湾国立大学の馬教授の講義を中心に係留工学について体系的に学ぶことができました.英語での講義ということで少し不安な気持ちもありましたが,馬教授,同じコースの受講者の方々がとてもフレンドリーで楽しく学ぶことができました.馬教授は博士号を取得後,長い時間を北米でエンジニアとして活躍された後に教授になられたとのことでしたが,エンジニアとして活躍されている間も土日や平日の空いた時間を使って研究活動をしていたとのことで,その熱意と能力の高さに憧れました.私も馬教授のように,研究者としての理論研究とエンジニアとしてのモノづくりの両方を仕事としてできるような人材となれるように今日も精進していこうと思います.本研修の関係者の皆様,本当に貴重な体験をありがとうございました.

大阪大学

吉江武人

今回の海洋開発特別講座(係留工学コース)に参加して、係留工学の全体像を分かりやすく、そして主体的に学ぶことができました。講義は英語で行われ、研修メンバーは社会人の方が過半数を占めており、非常に刺激を受けました。研修メンバーの活発な質疑応答やディスカッションで自分の知識不足を痛感するとと共に、今後大学院への進学や社会人になる際に目指したい姿として近くで沢山学ばさせていただきました。また学生とは同じ海洋工学を学ぶ同士として大変刺激をもらいました。加えてこれまでとは違った視点や考え方を共有し合う良い機会となり、勉強になりました。

東京大学

桑村恒多

本研修プログラムへの参加を通じて、係留工学の理論と応用について体系的に学習させていただきました。馬教授の講義には、実際の係留設計にあたっての考え方、業界の技術的動向、現場でのエピソード、など豊富な実務のご経験に基づいた様々な内容が盛り込まれており、座学や研究の先にある実践面での理解を深める非常に貴重な経験となりました。また講座に集まった多様な参加者の方々との議論や交流からも、沢山のことを学ばせていただくことができました。このような貴重な機会をいただき、全ての関係者の方々に心より御礼申し上げます。

東京大学

丸宮佳季

本講座に参加して、係留工学の基礎を網羅的に学ぶことができました。自身の研究内容である係留の設置以外の部分も知るとかでき、細かい部分の知識が深まったと感じています。また、講師の馬先生の実際の現場での経験談などを交えたお話しから、より具体的な係留設置のイメージを掴むことができました。今後の研究活動に活かせる貴重な時間となりました。ありがとうございました。

大阪大学

藤田聖司

今回の講義では、普段の授業や研究では得られない実践的な体験談を通して、係留に関わる詳細な知見を深めることができました。普段の大学の研究では日本で使用される浮体式洋上風車を前提として検討していたためオイル&ガス開発や海外の環境における異なる方法や設備は自分の視点にないものでした。この貴重な経験を通じて、係留に関わる各種の方法のメリットデメリットを十分に判別し、より持続可能で環境にやさしい海洋開発の発展に寄与していきたいと考えるようになりました。

横浜国立大学

友康士郎

今回の講座は,浮体式洋上施設の係留方法について英語で講義をしていただきました.係留索の種類や選び方,さらには馬先生の経験談から運用に関する注意点まで教えていただき,係留について深く学ぶことができました.また,英語で講義を受けることで,世界で一般的に使われている専門用語を学ぶことができました.さらには,海洋開発に関する研究をしている他大学の学生や関連企業の方からも多くの学びを得ることができた刺激的な経験でした.この経験を今後の研究活動にいかしていきたいです.関係者の皆様,ありがとうございました.

入門コース

北海道大学

吉川真生

海洋石油開発に海洋構造物、風力発電、そして演習と海洋開発に関わる技術を在らん限り詰め込んだ講座でした。1日の講義が終わるとへとへとになって、他の参加者の皆さんと僕はこう思ったと感想や意見を言い合う日々でした。本当に楽しかったです。講座での勉強を通して海洋開発に関わりたいと心から再確認できました。佐尾先生や青柳さん、協会の皆さんをはじめ運営の方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。

北海道大学

武田知樹

普段は資源工学を学んでいる私にとって、海洋工学について網羅的に学ぶ機会をいただけたことは大変ありがたかった。講義の内容はどれも難解ではあったが、いただいた資料をもとにしっかりと復習に励みたい。グループワークや演習では、他大学の学生や社会人の方々と議論する機会があり、非常に刺激を受けた。海洋を志す仲間と出会えたことはとても嬉しく、こうしたつながりを今後も大切にしていきたい。企業訪問では、実際の現場を見学し、最新の技術や取り組みについて直接話を伺うことができ、大きな学びとなった。

日本大学

冨田隼登

今回の集中講座は自分の研究分野にとても役立つと思い参加させていただきましたが、自分の勉強不足を痛感させられました。今まで大学の授業等で洋上風力発電や石油掘削リグ等の海洋分野について理解していたつもりでしたがまだまだ学ぶことがたくさんあり今回参加させていただきとても勉強になりました。また、係留について初めて講義を受けましたが先生の話は分かりやすく、最初はついていけるか不安でしたが理解できて良かったです。企業訪問では、係留に使われるロープの工場を見学させていただきましたがロープの良さ、チェーンとの違いを聞き、とてもためになりました。他の参加している方とも仲良くなることができ、参加させて頂きありがとうございました。

九州大学

河野幸樹

普段の生活では得られない多くの学びを得ることができました。約一週間、係留工学の基礎講義を受講し、グループ討議を通じて多様な知見と出会いながら人間関係を築き、最後には発表を行いました。グループ討議では、学生だけでなく企業の方々とも意見を交わす機会があり、社会人ならではの鋭い視点やプレゼンスキル、議論の進め方など参考にしたい点が多々あり、非常に勉強になりました。最後に、このような貴重な機会を提供してくださった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

北海道大学

平松幹浩

石油の海洋リグから洋上風車まで、海洋構造物が常に流れがある海洋にどのように設置されているかを理解できたことが大きな進歩です。普段の人間の生活区域ではない海洋に、構造物を立てることは、作業工程が多くて、複雑かつ、危険が多く伴うと感じました。構造物の建設にあたって、安全性を確保しつつ,コストを削減することに難しさを感じつつ、技術の進歩でこの課題をクリアしていくことに面白さを感じました。そして、この技術の進歩のために、自分が大学で勉学に励むというモチベーションにつながりました。

九州大学

小田皓俊

今回の講座では、海洋構造物やそれに関する解析や設計の部分も含めた海洋工学について学ぶことができ、普段これらの分野とは異なる分野の研究をしている私にとって、とても貴重な経験となりました。講義内のグループディスカッションでは、他大学の学生さんや企業の方々から、自分が持っていない別視点の意見や専門性の高いアイデアなどを共有していただき、この海洋工学分野における新たな知見を得ることができたことに加え、この講座全体を通して自分の将来に対しても視野が広がったと感じた一週間でした。この講座に尽力していただいた方々に心より感謝申し上げます。

九州大学

八巻達也

今回のセミナーでは、普段の授業では学ぶ機会の少ない海洋石油開発や風車浮体の係留について深く理解を深めることができました。単に講義を受けるだけでなく、グループワークや実務に近い演習を通じて、より実践的な知識を身につけることができました。また、異なる大学や分野の学生に加え、社会人の方も参加していたため、グループワークを通じて社会人の視点からの考え方を学ぶ貴重な機会となりました。今回得た知識を活かし、さらに海洋開発への理解を深め、社会に貢献できる人材を目指したいと考えています。

日本大学

鈴木道人

今回の講座では海洋開発の基礎を学修するとともに、専攻分野が異なる学生、企業の方々と交流することができ、貴重な経験をさせていただきました。私は係留索についての知見が乏しく、今回の講座では演習やグループ討議、また実際に東京製綱繊維ロープ株式会社様の工場を見学させていただき、係留索の重要性について理解を深める事ができました。日本のエネルギー政策として洋上風力発電事業が拡大する中で、日本が抱える課題や進行方法についてさまざまな視点から意見交換できたことが印象的でした。関係者の皆様には貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

信州大学

南方裕生

本セミナーでは講義の中で海洋工学の基本を広い視点で学ぶことができ、普段の大学の講義では得られない知見を得ることができました。最終日の東京製綱繊維ロープ株式会社への工場見学では実際に浮体式洋上風力の係留に使われる繊維ロープの製造現場で小さな繊維から大きなロープが完成するまでの工程を見ることができ、印象に残っています。また、海洋開発やエネルギーといった自分とは違う研究分野の学生や実務に携わっている社会人の方々とも盛んに交流することができ、良い刺激を受けました。

神戸大学

手嶋逸貴

今回のテーマである「係留」には、日本企業の活躍できる領域を知り、今後の産業の盛り上がりに期待が膨らみました。応募のきっかけは、エネルギー分野に関する技術領域に知見を養うことでした。今回の研修を通して、浮体式洋上風力発電開発に向けた、関連技術の基礎知識や開発に向けた各企業様の取り組みを知ることができました。また、海洋開発を学ぶ学生の方との交流もあり、満足度の高い1週間でした。今後は、技術発展に貢献できるよう日々学びを深めて参ります。本当にありがとうございました。

秋田大学

岡本寛陽

海洋開発特別講座を通じて、海洋開発の最新技術と課題について体系的に学ぶことができました。自分は海洋工学に初めて触れたため、浮体や係留といった内容は少し難しく感じる部分もありましたが、講師の先生が丁寧な説明してくださり、理解を深めることができました。また、グループワークでは、異なる分野を専攻する学生や企業の方々と意見を交わすことで新たな視点を得られ、非常に刺激的でした。最後になりましたが、貴重な学びの場を提供してくださった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

九州大学

岩金晃太

海洋開発特別講座を通して、得難い経験ができたと思います。洋上風車の仕組みについて多くの点で石油開発に使われている技術があることを学び、興味がある分野だけを学ぶだけではいけないと思えました。また企業見学では、工場で実際にロープが作られる工程や製造までにかかる速度などを見学させていただき、モノづくりの素晴らしさに触れることができました。多くの学びを得るとともに、将来海洋開発に関わりたいと思っている素晴らしい仲間たちと出会えたことは私にとって忘れられない1週間になりました。ありがとうございました。

広島大学

井野嵩才

今回の特別講座を受講し、海洋構造物の体系的な知識や、復元力の働く基本原理について理解できました。特に、浮体式洋上風力の係留ではどのような技術的課題があるのかを学ぶことが出来る講座でした。また、最終日の企業訪問では、細さに対するロープの強度がなによりも印象的でした。係留ロープの試験においても、環境影響や耐久性への真摯な取り組みを肌で感じることができ、単にCNな発電の構造物を作るのではなく環境負荷を低減した発電として洋上風力の実現を目指していることを強く感じました。

横浜国立大学

河井茉莉

これまで係留について勉強したことがなかったので、今回の授業を通して浮体の安定性を考察する時の要素を増やすことができました。企業訪問では、係留に使うロープを作っている工場を見学させて頂き、手作業でスプライスを行っていることやロープの構造を知ることができました。また、授業中や休み時間には様々な企業の方と交流できたことで将来どのようなスキルが必要か少しわかりました。他大学の先輩との交流もでき、素晴らしい1週間でした。ありがとうございました。

秋田大学

仲谷陸

本プログラムは、海洋工学について幅広く学べただけでなく、様々な分野を専攻している学生や社会人と課題に対して多様な視点から意見交換ができ、実りある経験でした。将来発展していくであろう海洋の分野をこうして触れることができて良かったです。講義だけでなく、懇親会や企業訪問など貴重な機会を提供していただいたこと感謝申し上げます。

九州大学

青山奈央

今回の海洋開発特別講座では、海洋資源開発、洋上風力発電の特徴、設置から撤去までの一生について自分が表面的に知っていたことをより深く体系的なものにすることができた。特にグループワークで、JackupRigとSEPのLegの本数の違いの理由や、今後の日本の洋上風力発電の進め方について話し合うことでただ知識を吸収するだけでない学びとなった。日本はお金をかけさえすれば、日本の地形に即した洋上風力の技術開発をすることができるが、主に経済的な理由で海外の製品に頼らざるを得ない状況であり、政府が補助を出したりコンソーシアムを作ることで、自国のサプライチェーンが構築されればいいなと感じた。

※順不同

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